XMLサイトマップとは、検索エンジンが使う事を想定したXML形式で書かれたサイトマップです。
本記事では、XMLサイトマップのSEOにおける重要性や、無料でサイトマップを作成するツールの使い方、XMLサイトマップの文法などを詳しく解説します。
XMLサイトマップとSEO
XMLサイトマップを作ることは、SEO対策にも意味があります。
XMLサイトマップを用意してGoogleに送信しておくと、Googleがサイト内の新しいページや深い階層のページを発見しやすくなります。
また、カテゴリごとやページのテンプレートごとにXMLサイトマップを作っておき、XMLサイトマップごとのインデックス率(Googleに登録されたURLの割合)を確認すればインデックスを阻害する要因調査に役立ちます。
インデックス率が悪いページ群は、サーチコンソールのURL検査ツールで原因を調べて改善しましょう。検索エンジンにインデックスされるページ数が増えれば、その分だけ検索エンジンからの集客機会を増やすことができます。
無料ツールでXMLサイトマップを作る
ここでは無料で利用できる「sitemap.xml Editor」を使ってXMLサイトマップを作成する方法を解説します。
sitemap.xml Editor
sitemap.xml Editorは、1,000URLまでXMLサイトマップを作ることができます。もし、1,000URL以上のホームページの場合は、「除外ディレクトリ」機能を使ってディレクトリごとにXMLサイトマップを作成します。
その方法は1,000URL以上のホームページの場合で解説します。
1,000URL以上のホームページの場合
除外ディレクトリ機能を使って「ディレクトリごとにXMLサイトマップを分割」します。
例えば以下の例の場合、category-bとcategory-cを除外すればcategory-aだけのXMLサイトマップが作れます。
URL数の多いディレクトリとそれ以外のディレクトリで分割すれば、1,000URL以上あるホームページのXMLサイトマップも作れるはずです。
changefreqやpriorityは設定不要
XMLサイトマップには、更新頻度(changefreq)やクロール優先度(priority)、最終更新日(lastmod)を指定する事ができます。
GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)が2017年にTwitterで発言した内容から、Googleは最終更新日(lastmod)は「正確なら」使う可能性があるそうですが、更新頻度(changefreq)やクロール優先度(priority)は無視していると考えて良さそうです。
I think we use that if they're precise enough
— Gary "鯨理" Illyes (@methode) 2017年4月11日
Gary “鯨理” Illyes:lastmodは正確なら使うと思う。
サイトマップに関するGoogleのヘルプ記事でもクロール優先度(priority)は使用していない事がはっきり書かれています。
現在、Googleでは<priority>属性を使用していません。
引用:サイトマップの作成と送信 – Search Console ヘルプ
更新頻度(changefreq)に関する記述はありませんが、ヘルプ記事のサンプルコードにも記載されていない事から、priorityと同様に無視しているのではないかと推測できます。
XMLサイトマップ作成ツール
sitemap.xml Editor以外にも、有料ですが150万URLまで作成できるツールや、URLを入力してXMLサイトマップを作成するツールなどがあります。
XML-Sitemaps(500URLまで無料)
XML-Sitemaps
XMLサイトマップ作成ツールとしては、2005年からある老舗のサービスです。英語表記ですが特に難しい設定は必要なく、URLを入力して「Start」をクリックするだけで、XMLサイトマップを作成してくれます。
無料版では500URLまでですが、月$3.49(400円くらい)で150万URLまでのXMLサイトマップを作れます。
サイトマップXML自動生成ツール(無料)
サイトマップXML自動生成ツール
1,000URLまでの制限付きです。無料で利用するには、リンクを設置しなくてはいけないので、法人ユーザーの方には少しハードルが高いですね。
ただ手動でURLを入力するタイプのツールがあり、1,000URL以上のXMLサイトマップも作れるようです。
手動ツールの場合はリンクは任意のようですので、URLの一覧がある場合にはこのツールを使ってみてもいいかもしれませんね。
FC2サイトマップ(無料)
FC2サイトマップ
URLを入力するだけのシンプルな、無料サイトマップ作成ツールです。
GoogleやYahoo!にインデックスされているかどうか確認する機能もありますが、ページ数が多い場合にはインデックスの登録状況を調査するチェックを外してサイトマップの作成をした方がいいです。
他のサイトマップ作成ツールに比べると、URLを取得する精度はあまり高くない印象です。
WordPressのプラグインでXMLサイトマップを作る方法
WordPressのSEOプラグイン「All In One SEO Pack」と「Yoast SEO」を使ったXMLサイトマップの作成方法を解説します。
All In One SEO PackでXMLサイトマップを作る(無料)
Yoast SEOでXMLサイトマップを作る(無料)
Yoast SEOは標準でXMLサイトマップ機能がONになっています。
XMLサイトマップ作成専用のプラグインもありますが、どちらかのSEOプラグインをインストールしていれば専用プラグインは不要です。
テキストエディタでXMLサイトマップを作る
XMLサイトマップは簡単な文法で作られています。文法さえ知っていれば、テキストエディタでも作成する事ができます。
独自のシステムでXMLサイトマップを作る場合には、ここで解説する文法や注意事項を参考にしてください。
XMLサイトマップの文法と注意点
XMLサイトマップは以下のような文法で書きます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc></loc>
<lastmod>2018-10-31</lastmod>
</url>
<url>
<loc>/magazine/</loc>
<lastmod>2018-11-5</lastmod>
</url>
<!-- <url>~</url>をURLの数だけ繰り返します -->
</urlset>
「<loc>~</loc>」にはXMLサイトマップで送信するURLを設定します。
「<lastmod>~</lastmod>」にはそのURLの正確な更新日時を「yyyy-mm-dd」の形式で設定します。
「<url>~</url>」はURLごとに繰り返します。
- ひとつのXMLサイトマップファイルに記載できるURLは50,000URLまで。それ以上のURLをGoogleに送信するときには、別ファイルに分割します。
- XMLサイトマップは圧縮していない状態でファイル容量が50MBまで。といってもテキストデータで50MBを超える事は考えにくいですが。
- 存在しないURLをXMLサイトマップに含めないようにします。
- XMLサイトマップはUTF-8エンコードで保存します。
サイトマップインデックスを作る
XMLサイトマップを複数に分割した場合、すべてのファイルをサーチコンソールに登録するのは面倒です。
その場合、「サイトマップインデックス」を作ってそのインデックスファイルをサーチコンソールから登録すれば簡単です。
サイトマップインデックスは以下のように書きます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<sitemapindex xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<sitemap>
<loc>/sitemap-1.xml</loc>
<lastmod>2018-11-6</lastmod>
</sitemap>
<sitemap>
<loc>/sitemap-2.xml</loc>
<lastmod>2018-11-6</lastmod>
</sitemap>
</sitemapindex>
「<loc>~</loc>」にはXMLサイトマップのURLを設定します。
「<lastmod>~</lastmod>」にはXMLサイトマップの更新日を「yyyy-mm-dd」の形式で設定します。
画像・動画をXMLサイトマップに追加
ページに利用されている画像や動画もXMLサイトマップに追加して、Googleのインデックス登録を促進させることができます。
動画は検索結果に表示される場合もあるため、動画を配信しているホームページは追加しておくと良いでしょう。
画像用のXMLサイトマップ
参考:画像サイトマップ – Search Console ヘルプ
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9" xmlns:image="http://www.google.com/schemas/sitemap-image/1.1">
<url>
<loc>/</loc>
<image:image>
<image:loc>/image.jpg</image:loc>
</image:image>
<image:image>
<image:loc>/photo.jpg</image:loc>
</image:image>
</url>
</urlset>
動画用のXMLサイトマップ
参考:動画サイトマップとサイトマップの代わり – Search Console ヘルプ
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
xmlns:video="http://www.google.com/schemas/sitemap-video/1.1">
<url>
<loc>http://www.example.com/videos/some_video_landing_page.html</loc>
<video:video>
<video:thumbnail_loc>http://www.example.com/thumbs/123.jpg</video:thumbnail_loc>
<video:title>夏のステーキの焼き方</video:title>
<video:description>アルキスがいつでも完璧にステーキを焼く方法を紹介します
</video:description>
<video:content_loc>
http://streamserver.example.com/video123.mp4</video:content_loc>
<video:player_loc>
http://www.example.com/videoplayer.php?video=123</video:player_loc>
<video:duration>600</video:duration>
<video:expiration_date>2021-11-05T19:20:30+08:00</video:expiration_date>
<video:rating>4.2</video:rating>
<video:view_count>12345</video:view_count>
<video:publication_date>2007-11-05T19:20:30+08:00</video:publication_date>
<video:family_friendly>yes</video:family_friendly>
<video:restriction relationship="allow">IE GB US CA</video:restriction>
<video:price currency="EUR">1.99</video:price>
<video:requires_subscription>yes</video:requires_subscription>
<video:uploader
info="http://www.example.com/users/grillymcgrillerson">GrillyMcGrillerson
</video:uploader>
<video:live>no</video:live>
</video:video>
</url>
</urlset>
まとめ
XMLサイトマップはGoogleのインデックスを促進するだけでなく、SEOの問題発見にも活用できます。「ひと手間」かかりますが作成してサーチコンソールからGoogleに送信しておきましょう。
- XMLサイトマップは無料で作れる。
- WordPressno場合はプラグインかRSSをサイトマップとして利用する。
- 「lastmod」は正確ならばGoogleは参考にするかもしれない。「priority」「changefreq」は不要。
- ひとつのサイトマップには50,000URL、50MBまで。
- サイトマップを分割するときはサイトマップインデックスを作成すると便利。
- 画像、動画もサイトマップに含めることができる。
おまけ:サイトマップの種類
一般的にサイトマップと呼ばれるものには、ユーザーが使う「HTMLサイトマップ」と検索エンジンが使う「XMLサイトマップ」の2種類があります。
- HTMLサイトマップ
ホームページにアクセスしたユーザーが使う事を想定したHTML形式で書かれたサイトマップ。ユーザーが目的のページをすぐに見つける事ができるといったメリットがあります。
AppleのHTMLサイトマップ - XMLサイトマップ
検索エンジンが使う事を想定したXML形式で書かれたサイトマップ。新しいページや、深い階層にあるページを見つけてもらうといったメリットがあります。