SEO効果を最大化するURL正規化の実践方法

最終更新日:2020/4/25 公開日:2019/2/23

複数のURLで同じコンテンツが表示される状態など、URLの正規化がうまくできていないと検索エンジンからの評価も上がりにくくなってしまいます。ひとつのURLに評価が集まるようになっているかチェックしましょう。

この記事の目次

URLの正規化とは?

普通にWebサイトを運営していても、以下のように同じコンテンツのページが複数のURLで作られてしまいます。

①wwwの有無
②index.html(index.phpなども含む)有無
③広告などのパフォーマンスを計測するためのパラメータをURLに付ける

検索エンジンはわずかでも違うURLを別のページと認識してしまいますので、何もしないと同じコンテンツを持ったページ「重複ページ」になってしまう可能性があります。
そのため、検索エンジンに評価してもらいたいURLに統合をする処理をしておく必要があります。

このように複数のURLを検索エンジンが評価するべきひとつのURLに統合することを「URLの正規化」と呼びます。

URLの正規化をする方法は以下の2つです。

  • canonicalタグを使って正規URLを指定する
  • 301リダイレクトを使って正規URLに統合する

また、Googleはcanonicalタグやリダイレクトの他にも、以下のような情報を元に正規のURLを決定します。合わせて確認しておきましょう。

  • リダイレクト
    301/302リダイレクトで統合しているURLはGoogleによって正規化処理されます。
  • XMLサイトマップに書かれているURL
    XMLサイトマップに記載するURLは、canonicalで指定する正規URLに揃えておきましょう。
  • 内部リンクのURL
    内部リンクのURLも正規URLに揃えておきましょう。
  • 外部リンクのURL
    他のサイトから張られているリンクのURLも、Googleが正規URLを決定するためのシグナルに使われます。
  • コンテンツの一致度
    コンテンツの一致度が高いと認識されているURLはGoogleによって正規化される可能性があります。
  • HTTPS
    GoogleはできるだけHTTPSのURLを表示しようとします。

それでは、URLの正規化が正しくできているかチェックする方法を見ていきましょう。

URLの正規化でチェックするポイント

正規化でチェックするポイントは多いのですが「正規化をするパターン」がありますので、自サイトであてはまるパターンだけをチェックすれば問題はありません。

URL最適化の実践方法

canonicalは常に正規URLを指定する

canonicalタグで指定するURLは常に正規URLを指定する必要があります。

システムを使ってページを作成している場合など、アクセスしているURLを動的にcanonicalで指定している場合があります。

例えば、「URL:A https://exapmle.com/0001.html」が正規URLだとして、このページに「URL:B https://exapmle.com/0001.html?utm=123456789」でアクセスをすると、パラメータの付いたURL:Bをcanonicalタグで指定してしまうのです。

そんな事があるの?と思われるかもしれませんが、WordPressを使っていてhttpからhttpsに301リダイレクトを設定していないと、この問題が発生する可能性があります。All In One SEO Packなどcanonicalを設定しているプラグインが、動的にcanonicalのURLを指定しているためです。

あわせてお読みください
並び順が違うだけのURLはデフォルトの並び順URLに正規化する

ECサイトなどでは商品リストページで、掲載している商品を「在庫順」「発売日が新しい順」など並び替える機能があります。

しかし並び順が異なるだけで同じ商品が掲載されていますので、これらのページはページを表示した時の並び順のURLに正規化をする必要があります。

並び順のページが固有のURLを持っていない場合は、正規化処理をする必要はありません。

複数に分割したページは1ページ目に正規化しない

商品一覧ページや記事一覧ページなど、1ページですべての情報を掲載できない場合、複数のページにコンテンツを分割する事があります。

コンテンツを分割した場合、2ページ目は2ページ目に、3ページ目は3ページ目に正規化しましょう。
2ページ目以降のURLを1ページ目にすべて正規化しているサイトがありますが、この方法は間違っています。

canonicalは本来、コンテンツが重複しているページをまとめるためのものですので、異なるコンテンツを掲載しているページをまとめるものではありません。

結果的に同じコンテンツが表示されるページはどちらかに正規化する

これは、求人や不動産などエリアでコンテンツを分類するタイプのポータルサイトによく発生する問題です。

ECサイトなどでも「カメラカテゴリのSDカードのページ」、「フラッシュメモリカテゴリのSDカードのページ」など、コンテンツが重複する場合がありますので注意が必要です。

この問題はWebサイトの構築時に、コンテンツが重複しないようにURLを設計することでも回避できます。タイミングよくリニューアルをする場合には、設計を見直しておきましょう。

スマホページは同じ内容のPCページに正規化する(スマホページが別URLの場合のみ)

Webサイトのスマホ対応には、「レスポンシブ」「動的配信」「別URL」の3種類の方法があります。
スマホ対応の方法についてはモバイルフレンドリーの3つの対策で詳しく解説しています。

この3種類の方法のうち、スマホページを別URLにする場合は、PCページとスマホページで以下のような関連付けをする必要があります。

PCページでスマホページのURLを指定、スマホページはPCページに正規化。

この一連の関連付けのことを「モバイルアノテーション」と呼び、この設定をしておけばGoogleはPCページとスマホページを一体として評価してくれます。

モバイルアノテーションが不十分だと、同じコンテンツが掲載されたPCページとスマホページが別ページとしてインデックスされ「重複コンテンツ」になってしまいます。

必ず「同じ内容のページ同士」を関連付ける

モバイルアノテーションは、必ず同じ内容のページ同士を関連付ける必要があります。
もしPCページとスマホページのどちらかしか用意していない場合には、無理にトップページなどと関連付けるのではなく、モバイルアノテーションそのものを設定しないでおきます。

引用:https://developers.google.com/search/mobile-sites/mobile-seo/separate-urls?hl=ja

モバイルファーストインデックス導入後もそのままにする

モバイルアノテーションは、スマホページをPCページに正規化する設定です。
スマホページがインデックスされるようになるモバイルファーストインデックスが導入されたあとはどうすればいいのでしょうか?

答えは「なにもしない」です。

Googleがモバイルアノテーションの向きが逆になっても正しく処理してくれますので、余計な作業は必要ありません。

URLが一つで良い場合は301リダイレクトで正規化する

「wwwの有無」や「index.htmlの有無」など、正規ではないURLが不要で、ユーザーがアクセスするURLも一つで良い場合には、301リダイレクトを使って正規化をしても大丈夫です。

もし並び順が異なるページも301リダイレクトで正規化してしまったら、並び順が違うページは表示されなくなってしまいます。

以下の場合には、301リダイレクトで正規化します。

301リダイレクトを使うシーン
  • 「wwwありのURL」と「wwwなしのURL」
    「https://www.example.com/」と「https://example.com/
  • 「index.htmlありのURL」と「index.htmlなしのURL」
    「https://example.com/」と「https://example.com/index.html
  • 「httpのURL」と「httpsのURL」
    「http://example.com/」と「https://example.com/

上記のようなURLの正規化をする場合には301リダイレクトを使用します。

「正規ではないURLも必要な場合」はcanonical、「アクセスできるURLが一つで良い場合」は、canonicalと301リダイレクトの両方が使えます。

あわせてお読みください

URLが正規化されているか効率的に調査する方法

正規化の処理が正しく行われているかは、サーチコンソールなどのツールを使って調べることができます。

URLの正規化を調べるツール

サーチコンソールを使って調査する

サーチコンソールの「カバレッジ」レポートを確認すると、正規化が正しく処理できていないページには、重複ページのエラーが発生しています。

以下の手順でサーチコンソールを確認してください。

カバレッジでエラーを確認する方法

①「カバレッジ」をクリック
②「除外」をクリック
③「重複しています」のエラーが表示されていたら、それぞれのテキストをクリック

エラーごとの要因と改善方法を解説します。

重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました

canonicalは常に正規URLを指定するで解説した、動的にcanonicalのURLを指定しているとこのエラーが発生します。(他の要因も考えられます)

URL検査を使って、Googleが正規URLとして選択したURLを確認しましょう。

URL検査の方法

①URL部分をクリック
②右側に表示されるメニューから「URLを検査」をクリック

「ユーザーが指定した正規 URL」と「Google が選択した正規 URL」の違いを確認

上の例はWordPressを使ったサイトで、httpからhttpsへ301リダイレクトを行っていなかったため、Googleがhttpを正規URLとして認識してしまっています。
この場合、httpからhttpsへ301リダイレクトを設定すればエラーは解消すると考えられます。

重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません

このエラーはcanonicalタグが設置されていない事で、コンテンツが重複している場合に発生します。

該当ページにcanonicalタグを設置して、正規URLを指定することでエラーは解消します。

Screaming Frog SEO Spider Toolを使って調査する

Screaming Frog SEO Spider Toolは、サイト内をクロールしてcanonicalタグで指定しているURLを取得できるツールです。
無料版でも500ページまでクロールすることができます。(有料版はページ数無制限)

まとめ

URLの正規化はかなりテクニカル色が強く、なかなか理解できないかもしれません。
しかし、サイトの規模が大きくなればなるほど問題も大きくなりやすいポイントなので、しっかりと理解しておきましょう。

また、URLの正規化を改善するには、システム側の修正が必要だったり、膨大なページ数を修正しなくてはいけなかったりと、後から改善することが難しい場合も多いため、リニューアル時などは特に注意が必要です。

  • canonicalは常に正規URLを指定する
  • 並び順が違うだけのURLはデフォルトの並び順URLに正規化する
  • 複数に分割したページは1ページ目に正規化しない
  • 結果的に同じコンテンツが表示されるページはどちらかに正規化する
  • スマホページは同じ内容のPCページに正規化する(スマホページが別URLの場合のみ)
  • URLが一つで良い場合は301リダイレクトで正規化する
  • サイトのhttps化をした場合は301リダイレクトでhttpsページに正規化する
  • リニューアル時は重複ページが発生しないように特に時間をかけてチェックする
この記事を書いた人

井上 憲作

1975年生まれ。PCパーツの通販サイト管理者から、大手インターネット広告代理店にて、100社以上のコンサルティングやSEO施策に従事したのち、2018年に独立。趣味はスキューバダイビング。

SEOの基礎

サーチコンソールの基礎

カテゴリー

人気の記事

  1. 株式会社Revery
  2. ブログ
  3. SEO
  4. SEO効果を最大化するURL正規化の実践方法