スパム行為とは迷惑メールやブログのコメント欄で宣伝するコメントスパムなど迷惑行為全般を指しますが、SEOにおけるスパム行為は、Googleを欺いて検索順位を向上させようとする行為全般のことを指します。
スパム行為が横行すると、たいして役立つ情報がないサイトでも検索上位に表示されていまいユーザー体験を損ねるため、Googleはスパム行為を行っているサイトにペナルティを課しています。
知らず知らずのうちにスパム行為を行っていたということが一番怖いので、スパム行為の種類と見分け方を覚えておきましょう。
SEOスパムの種類
SEOスパムには大きく分類すると「コンテンツに関するスパム」「リダイレクトに関するスパム」「被リンクに関するスパム」の3つに分けられます。
Googleの品質に関するガイドライン を参考に詳しく解説します。
- オリジナルコンテンツの存在しないページの作成
自動生成されたコンテンツ、ほとんどが他サイトからコピーしたコンテンツのページを作ることなどが当てはまります。
てにをはを変えただけ、文章の論理構成に少し手を入れただけのコンテンツも含まれるでしょう。 - 隠しテキスト/隠しリンク
白い背景に白いテキストを使用するなど、ユーザーからテキストが見えないようにする行為です。ページにキーワードを詰め込むときに使われることが多い手法です。 - キーワードの詰め込み
同じ単語などを不自然に繰り返すような文章を書いたり、グローバルメニューに特定のキーワードを常に入れるような行為です。 - リッチスニペットマークアップの悪用
ページに表示されないコンテンツを構造化データでマークアップしたり、情報を宣伝するコンテンツをマークアップするような行為です。
構造化データに関するガイドラインに準拠する - 誘導ページ
特定のページにアクセスさせることだけを目的に作ったページを誘導ページを言います。
誘導ページについて、Googleウェブマスター向け公式ブログ の記事を参考に解説します。
CASE①:品質の低いコンテンツに、ある特定のサイトへのリンクを追加しただけのブログを複数作り、ユーザーを誘導しているケース
そもそも低品質なコンテンツで集客ができるのか?というツッコミもありますが、多くの「サテライトサイト」が誘導ページに該当する可能性があります。
また、後述する人工的な被リンクのガイドラインに違反する可能性もあります。
本サイトとは別に作られた、集客のためのサイトのこと。
ここで問題になるポイントは「低品質なコンテンツ」です。
誘導ページはユーザーに独自の価値を提供しないページ群を指しますので、ユーザーの検索意図に沿った高品質なコンテンツであれば問題はありません。
CASE②:地名以外ほぼ同一の誘導ページを大量に生成しているケース
こちらのケースは、多くの店舗や拠点を持っている企業サイトで該当してしまうサイトがあるかもしれませんので、一度コンテンツを見直してみましょう。
例えば店舗紹介のページであれば、以下のようなコンテンツを追加することができるはずです。
- 店舗への道順を写真を使って説明するコンテンツ
- 店内の紹介
- 店舗紹介コメント
- クローキング
ユーザーとGoogleに違うコンテンツを見せることをクローキングと言います。「Googleにはキーワードを詰め込んだテキストコンテンツを見せて、ユーザーには普通のコンテンツを見せる」といった方法で順位が上がった時代もありました。
Googlebotにもユーザーと同じコンテンツを見せるようにしていれば大丈夫です。 - 不正なリダイレクト
クローキングのためにリダイレクトを利用する行為などが該当します。通常の301リダイレクトなどは該当しません。
検索順位を操作することを目的にした被リンク対策は、お金をかけた対策どうかに関係なくガイドライン違反です。
少しSEOの知識のある方であれば、SEO業者の被リンク対策を行う事がスパム行為(ガイドライン違反)に当たる事はお分かりだと思います。
最近ではウェブマスターガイドライン に掲載されているような露骨なリンクはほとんど見る事がなくなりましたが、検索順位を操作することを目的にした被リンクはペナルティの対象になります。
Googleはこのような被リンクを見つけた場合の通報フォーム も用意していますが、SEO業者の持っているサイト経由で発見されることが多いと思います。
SEO業者が被リンクサービス用に持っているサイトは、1サイトに手間をかけられないため、コンテンツも低品質で似たようなテンプレートを使って量産されたサイトが多いので見つけやすいのです。
SEOスパムかどうかを迷ったときの対処方法
Googleのガイドラインの内容を把握して、いま実行しようとしている施策がスパム行為に該当するかどうかを判断する必要があります。
しかし、ここで解説したような「あからさまなスパム行為」ではない場合、果たしてこれはスパム行為なのかどうか判断に迷う時もあると思います。
シンプルな判断方法としてはその施策は検索エンジンが存在しなかったとしても実行するだろうか?と考えてみましょう。
もし「はい」と自信を持って答えることができれば、それはSEOスパムではないと言えるでしょう。
また、以下に該当するのであればどのような施策であってもSEOスパムである可能性が高いため、止めておいたいいでしょう。
- 検索順位を上げることだけを目的にしている
- 他人の権利を侵害している
常にユーザーの利便性を高めることを念頭におけば恐れる必要はありません。
SEOスパムを発見したときの対処方法
スパム行為を行っているサイトをGoogleに知らせるフォーム(スパムレポート)があので、そういうサイトを発見したら積極的に通報しましょう。
スパムレポートを使うケースとしては、以下のような例があります。
- キャッシュページと実際のページのコンテンツが著しく異なっている(キャッシュにはキーワードが多数含まれていることが多い)。
- トピックに関係のない営利目的の別ドメインにリダイレクトされる。
- 自動生成や過剰なキーワード使用により、意味不明なコンテンツになっている。
このフォームから送られた情報はGoogle社員の方が目視で確認したりして精査しているはずです。
もちろんスパム行為を行っていないサイトを報告しても精査の対象にはならないので、このフォームを悪用することはできないのでご安心ください。