SEOとは?取り組み内容とSEO業者の見極め方

最終更新日:2019/1/5 公開日:2019/1/5

SEOはSearch Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)の略で、Googleなどの検索エンジンにおいて、自社のホームページの露出を増やす様々な取り組み全体を指します。

例えば、あなたは駅前で飲食店を経営しているとします。
昼間は周辺のオフィスで働く人向けにランチを提供していて、夜は居酒屋になるスタイルの飲食店です。
もし、検索エンジンで(駅名) ランチ(駅名) 居酒屋と検索した時に一番上に表示されたらどうなるでしょう?
近所でチラシを配ったりするよりも、はるかに多くのお客様が来店してくれるかもしれないって思いませんか?

このように、狙ったキーワードでの検索順位を上げる取り組みがSEOです。
「SEOはホームページの露出を高める」など様々な表現はありますが、検索順位が上がらなければ始まりませんので、分かりやすく「検索順位を上げる取り組み」だと覚えてください。

それでは、SEOの取り組みについて詳しくご説明していきましょう。

この記事の目次
SEOと広告の使い分け

SEOは、検索エンジンに表示させるためにお金を払わなくてもよい「自然検索」での検索順位を上げる事ですので「お金をかけ続けなくても成果が持続しやすい」点が大きな特徴です。
広告のエリアは支払った金額によって掲載位置が決まるエリア。自然検索のエリアはページの評価によって掲載位置が決まるエリア。
広告は目立つ場所に表示させ続けるためにお金を払い続けなくてはいけませんので、SEOの方が中長期的な利益を生み出す取り組みだと言えます。

ただし、SEOは短期的に成果を出すことが難しいため、短期的な売上が欲しいときには広告が有効です。
また、SEOで成果を出す事が難しいキーワードで広告を併用するなど、広告とSEOはその特徴で使い分ける事が大切です。

SEOってどんな事をするの?

残念なことに「SEO」というと良くない印象を持ってしまう人が多いのは事実です。
これは、過去のSEOで一般的に行われていた取り組みが影響しています。

現在のSEOの取り組みについてお話する前に、ちょっとだけ昔のSEOについてお話します。

2012年頃までのSEO

2012年頃までのSEOは、SEO業者が作ったホームページからリンクをはって順位を上げる「人工リンクの外部対策」と、ページの中にできるだけ多くキーワードを書くための「内部対策」が主な取り組みでした。

2012年頃のSEO

どちらかというと人工リンクによる外部対策が中心で、内部対策は「おまけ」程度な事が一般的でした。

これらの取り組みは一定の成果を出していました。
しかし中にはほとんど情報がないホームページもあり、そういったユーザーの役に立たないようなページも検索上位に表示されていました。

知りたい事があるから検索したのに、役に立たないホームページばかりが検索結果に並んでいては、人はいつか検索エンジンを使わなくなってしまいます。

そんな状況に、Googleも黙って見ているだけではありません。
ユーザーにとって価値のないホームページが、検索の上位に表示されないように、2012年頃から矢継ぎ早に様々な対策をしてきました。

Googleの低品質ホームページ対策

Googleの低品質ホームページ対策で代表的なものに、パンダアップデートペンギンアップデートという検索アルゴリズムがあります。
かわいい名前がついていますが、この対策によって情報がほとんどないホームページや、ガイドライン違反の人工リンクでSEOを行っている多くのホームページが検索結果から消えました。

その結果、現在では人工リンクによるSEOでは、検索順位を上げる事ができないだけでなく、Googleからペナルティを受けてしまう原因にもなっています

Googleからペナルティを受けてしまうと、検索順位が大きく下がってしまったり、ひどい場合には検索エンジンから消えてしまう事もあります。

Googleにリクエストする事でペナルティを解除する事もできますが、ペナルティを受ける回数が増えるほど解除が難しくなります。
何年もペナルティが解除されないという事も珍しくありません。

人工リンクによるSEOなど、検索結果の品質を担保するためにGoogleが定めているガイドラインに違反するSEOはブラックハットSEOと言います。
一方で、ガイドラインを守って取り組む真っ当なSEOを、ホワイトハットSEOと言います。

現在のSEOでは、ペナルティを受けるリスクを取ってブラックハットSEOを行うよりも、ホワイトハットの手法でSEOをすることが一般的です。

現在のSEOはどんな事をするの?

それでは、現在はどんなSEOの取り組みをするのか、代表的な取り組みをご紹介します。

  • 記事の制作

    コンテンツSEO、コンテンツマーケティングと言われる取り組みで、情報を探している人に向けて役立つ知識などを記事として書き、ホームページに公開する方法です。

    例えば、コーヒー豆を販売しているお店のホームページに、「コーヒー豆の種類の違い」や「コーヒーの美味しい淹れ方」などの記事を公開すれば、コーヒーに興味のあるユーザーが集まってくるはずです。

  • すでに公開済みのページを改善

    ページの内容をさらに読みやすく、分かりやすく改善する事でユーザーの満足度を高める方法です。

    検索エンジンはそのページのユーザー満足度を、ページの評価項目に入れていると考えられ、情報を分かりやすく見せる事はいっそう重要な取り組みになっています。
    ユーザー満足度を高めればリピーターも増えるはずです。

  • キーワードの分析による記事ネタの開発

    Googleサーチコンソールという無料のツールを使うと、検索ユーザーがどんなキーワードで検索してホームページに訪れてくれたのかが分かります。
    そのキーワードを分析して新しい記事のネタにしたり、公開済みページの改善に役立てる方法です。

    「このホームページなら知りたい事が全部分かる」と思ってもらえたら、SNSで拡散してくれるかもしれません。

    参考:サーチコンソールとは?ざっくりの概要から登録方法、使い方まで分かりやすく解説

  • 技術的なマイナス部分を解消する内部対策

    検索エンジンは常に機能改良を繰り返していて、仕組みが複雑化しています。
    複雑化した検索エンジンに「正しく」ホームページを評価してもらうためには、技術的なマイナス要因になりそうな部分を解消しておく必要があります。

    検索エンジンの評価を高めるためではなく、あくまでも「適正に評価してもらうための取り組み」です。

ほかにも、ホームページの表示速度をもっと速くしたり、検索結果で目立つように表示させるような仕組みを導入したり、できる事はたくさんあります。

大切な思考:検索意図を考えること

SEOに取り組むうえで大切な思考は「検索した人が本当に欲しい情報はなにか?」という検索意図を考えることです。

例えば「ハワイ 今の時間」と検索する人は何を知りたくて検索したのでしょうか。
実際の検索結果を見てみましょう。

「ハワイ 今の時間」のGoogle検索結果

時差やフライト時間などを掲載したページが検索結果で上位に表示されています。

「ハワイの現在の時間」を知りたいのはもちろんですが、「ハワイとの時差を知りたい」という意図も隠されている事が分かります。

さらに、このキーワードを使って検索する人は、ハワイ旅行に行く予定がある人が多いと思われるので、「ハワイへのフライト時間」や「時差を考慮した旅行日程」などに関する情報も知りたいのではないかと考える事ができます。
旅行に行くなら天気や気温も知りたいかもしれないですね。

このように現在のGoogleは、単に検索されたキーワードを見てページを評価するのではなく、そのキーワードで検索した人の気持ちや検索した背景まで含めてページを評価する能力を高めています。

そのキーワードで検索する人は何をしたいのか(する予定なのか)、他には何が知りたいのだろう?と考えを巡らせながらページを作っていく事がとても大切です。
まさに「おもてなしの心」が現在のSEOにおいて重要な考え方になっている点を覚えておいてください。

SEOは何から始めればいいの?

SEOがどんな取り組みをするのか、何となくでも分かって頂けたかと思います。
それでは自分たちのホームページでSEOを始めるとき、何からすればいいのか、SEOに取り組む手順をご紹介します。

これだけは読んでおこう!

まずはSEOに関する基本的な情報を知っておきましょう。
SEOに関する書籍はたくさん売っていますし、インターネットで検索をすればたくさんの情報がヒットします。ただインターネット上には間違った情報もありますので、まずはGoogleの公式情報から読んだ方が良いでしょう。

Googleの公式情報も膨大な量があります。

どれを読んだらいいのか分からないという人には、検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) から読みましょうとアドバイスしています。

小さな事から実践しよう

SEOは小さな改善を積み重ねて成果につなげていくものですので、小さな事からコツコツと実践していきましょう。

検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドには、具体的な「おすすめの方法」と「避けるべき方法」が書かれています。
自分のホームページを確認し、もし「避けるべき方法」に書かれているような状態だったら修正しましょう。

SEOスターターガイドの内容(抜粋)
  • ホームページがGoogleに登録されているか確認する方法
  • ページタイトルの付け方
  • ページ概要文(meta description)の書き方
  • 見出しタグの書き方
  • 構造化データマークアップの方法
  • ナビゲーションの考え方
  • コンテンツを書く時の注意事項
  • 内部リンクの注意事項
  • 画像の最適化方法
  • 検索パフォーマンスの分析方法

SEO業者を上手に使おう

Googleも様々な情報を公開していますが、SEOは専門すぎて分からないという人もいるはずです。
そういった時に、SEOの取り組みをサポートしてくれるSEO業者が助けになるかもしれません。

ただ、SEO業者に丸投げはしないでください
SEO業者がどんな事をやっているのか、それはガイドラインに違反していないのか、ユーザーのためになるのかなど、必ず自分たちでチェックして把握しておく事が大切です。

高いお金を支払って成果が出ないだけでなく、Googleからペナルティを受けてしまったら目も当てられません。
だからこそすべてのホームページ担当者の方に、ガイドラインなどの基本的な事だけでも知っておいてほしいと考えています。

SEOはホームページを運営する人たちが中心になって行うべきです。
SEO業者は自分達では手が回らない部分のフォロー専門知識や経験からアドバイスをもらうといった、アドバイザーやサポートメンバーのように使う方法が良いでしょう。

例えば、下のように役割分担をすると良いのではないでしょうか。

ホームページ担当者がやること SEO業者がやること
SEOの知識向上 定期的にSEO勉強会を開催して、担当者のSEO知識の向上をサポート。
課題設定 専門家として、ホームページの課題を洗い出す作業を行う。
取り組む課題の優先順位をつける。 担当者が設定した優先順位についてアドバイスする。
ホームページの改善 課題ごとに改善方法を検討する。 改善方法に関するアドバイスをする。
ホームページを改善する。ホームページの制作会社などにも協力してもらう。 ホームページ制作会社の担当者に改善方法の説明などを行い、担当者をサポート。
改善効果の確認 どの数値を確認して効果測定するか検討。 効果測定の設定に関するアドバイス。
効果測定に使用する数値を担当者が簡単に確認できるような仕組みを提案し、設定作業などを行う。
毎日、毎週などの決められた間隔で数値を確認し、さらに改善できる部分がないか検討する。 毎日、毎週などの決められた間隔で数値を確認し、さらに改善できる部分がないか検討する。

SEO業者にだまされないために

非常に残念ですが、クライアントをだますような行為をするSEO業者も存在しています。
「こんなはずじゃなかったのに」とならないように、SEO業者を見極める必要があります。

これまでの経験から、以下のような場合は注意した方が良いです。

こんな場合は注意しましょう
  • 成果報酬型サービス
    成果報酬型サービスは、ほぼ人工リンクによるサービス提供です。
    「慎重にやります」「うちのサイトからのリンクは大丈夫です」と言われても、Googleから「順位を上げるためのリンクネットワークを使っている」と見られればペナルティを受けてしまいます。
  • 高品質な記事を量産
    ユーザーが読んで役に立つ「高品質な記事」の制作はとても手間がかかりますので量産はできません。
    記事を量産できるという場合は、ペラッペラの誰が読むのか分からないような記事が納品される可能性が高いのです。
  • 記事は〇文字以上で書きます
    これも過去にこういった売り方が一般的だった名残ですが、いま重要なことは文字数ではなく「検索意図を満たすこと」です。
    例えば「洗濯機を英語でなんて言うの?」という意図を満たす記事に、1,000文字も書く必要はありません。
    検索意図を満たす内容であれば文字数は関係ないのです。

まとめ

古いSEOと現在のSEOでの取り組み方の違いや、現在のSEOで大切な事など、お分かりいただけたでしょうか。

まとめると…
  • Googleのガイドラインに則ったホワイトハットSEOと、ガイドライン違反をするブラックハットSEOがある。
  • ガイドライン違反は、ペナルティを受け検索順位が大きく下がる要因になる。
  • 現在はホワイトハットSEOが主流だが、ブラックハットSEOを提供するSEO業者も存在するため見極めが必要。
  • SEO業者を見極めるためにも、ガイドラインなどの基礎的な情報を知っておく必要がある。
  • 検索ユーザーを満足させるページ制作を心がける。
  • 技術的な部分などの難しいところは専門家にアドバイスをもらう。
  • 少しずつコツコツと自分たちが中心になって取り組む。

「千里の道も一歩から」まさにSEOとはそんな取り組みなのです。

この記事を書いた人

井上 憲作

1975年生まれ。PCパーツの通販サイト管理者から、大手インターネット広告代理店にて、100社以上のコンサルティングやSEO施策に従事したのち、2018年に独立。趣味はスキューバダイビング。

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